ワラキアの夜

5戦目 10戦目 エピローグ
シオン蒼崎青子-

登場

ワラキアの夜
「おやおや。こうして私がカタチを得ると
は珍しい。」

「この町の人間は姿のある吸血鬼を恐れて
いるようだが―――五百年ぶりに夜会を
開くのも悪くない。」

「さて、今回のタタリはどんな喜劇と
相成るかな―――」



5戦目 vs.シオン

ワラキアの夜
「ほう?これは驚いた、
君もこの国に来ていたとは。」

「もしやとは思うのだが、
私を追ってきたのかね?」

シオン
「―――白々しい。
それ以外の理由を、
どうして私が持てるというのです。」

「タタリ。私は今度こそ貴方に勝つ。」

ワラキアの夜
「倒す、と言い切れないところが
君の限界だよシオン。」

「現象となった私を滅ぼす術はない。
より高度な死の概念を学んでから
挑みたまえ。」

「もっとも―――
そんな『死』の使い手など、
この世には存在しないがね……!」



5戦目 vs.蒼崎青子

蒼崎青子
「へえ。
タタリになんてならなくても
充分凄いじゃない、貴方。」

ワラキアの夜
「そうかね?
人の身で出来る事は、
人を侵す程度だよ。」

「君たちのように秩序と対峙する域には
とてもとても。」

蒼崎青子
「あ、やめてよね、
他の化け物と一緒にするの。」

「生き物やめちゃってるのは他の四人で、
わたしはれっきとした人間よ。」

ワラキアの夜
「ふむ。知らぬは本人ばかりなり、か。」

「たった今壊してしまったが、
じっくりと鏡を見てみたまえ。
この世のモノとは思えぬ悪鬼に会える。」

蒼崎青子
「…………オーケー、覚悟して。
私に看取ってほしいってコトよね、
今の?」



エピローグ

ワラキアの夜
「……じき夜も明ける。」

「ズェピアなどという主役は不要だ、
潔く自害しなければな。タタリが
一つのカタチに拘っては立ち行かない。」

「さて、舞台はハネた。
大道具の後片付けは裏方に任せ、
次の舞台に急ぐとしよう。」

「願わくば次の夜こそ、
心地よい殺戮でありますように。」

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