エピローグ
遠野秋葉
「……貴女たちがしろと言うからしたんだけど、
怖い話ってこういう感じでいいの?」
「な、何です、黙りこんだりして。
ねえ、ちょっと、なに笑ってるの!?
わ、笑い話じゃありませんっ!」
瀬尾あきら
「はぁ〜〜〜〜〜〜。」
遠野秋葉
「なぁに、瀬尾?」
瀬尾あきら
「いえ、あんまりに真に迫った話に感動しちゃって……
遠野先輩、演説だけじゃなくて語り部としても一流です!
すごい勢いで騙されたくなっちゃいます!」
「でも、ほら。今夜のお題は怪談なので、
冒険譚はよろしくないというか……い、いえ、
わたしはすっごく楽しかったです、ハイ!」
遠野秋葉
「だから、怖い話だって言ってるでしょう!
これ以上の怪談なんて他にないわよ!?」
「私猫が嫌いだし、庭一面のネコを想像してごらんなさい!
どっさり、なんてものじゃないわ。
みっしりよ、みっしり。」
瀬尾あきら
「う……それは、確かに怖いような……
でも幸せのような……
子猫はいるだけで癒されるので……えへへ。」
遠野秋葉
「そう。そこまで言うのなら今度うちにいらっしゃい。
多いというのはそれだけで
気持ち悪いと教えてあげるから。」
瀬尾あきら
「え、ホントですか!?
やったー! 先輩のうちにお泊まりだー!
……あ、ところで志貴さんいらっしゃいます?」
遠野秋葉
「……貴女、小心者のクセに自分の趣味には
太いんだから……いいわ、その正直さに免じて、
今度はきちんと紹介してあげます。」
「……(もっとも。そういう時にかぎって
無断外泊している人なんですけど、あの人は)」
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