琥珀
登場
琥珀
「おや？ このあいだシャレで作ってもらった
“大崩壊予報装置”が反応しちゃってます？」
「……むう。この装置は洒落ちですが、
事態は冗談ではすまないような……」
「なにしろ“地震が起きたら揺れて地震を知らせる”っていう
感知器と同じコンセプトですから、これ。」
「シオンさーん。」
「すみません、この感知器ってどんな波を探知するん
ですかー？ ……って、あれ？ シオンさんって……
誰でしたっけ？」
「なんという事でしょう。」
「シオンさんが誰かは思い出せませんが、この機械は
間違いなくシオンさんと共同開発したもの。」
「……となると。町規模で規模の改竄が行われたと
見るべきでしょうか……」
琥珀(アンバー)
「仕方ありません。お屋敷の外の管理は職務外ですが、
これも気が付いた者の勤め。」
「出来うる限りの努力をして、秋葉さまのつゆ払いと
いきましょう。」
1戦目 vs.吸血鬼シオン
勝利時
「今のがシオンさん？ んー、なんか違うような。
ともあれ、真っ先に遠野家地下を狙う洞察力は
侮れません。中々に楽しくなってきましたよー♪」
4戦目 vs.軋間紅摩
琥珀
「やや！？
誰かと思えば軋間の坊ちゃんではないですか！」
「……まさか、坊ちゃんまでよく分からない方の
手先に……？」
軋間紅摩
「………………」
琥珀
「―――む。
貴方、さては紅摩さまによく似た赤の他人ですね？
他の方は騙せても、私の目はごまかせませんよ？」
軋間紅摩
「……………………やはりそうか。
オレもそんな事だろうと思っていたが。
ご婦人。なぜ、オレが偽者だと？」
琥珀
「簡単です。本物の紅摩さまなら、坊ちゃんと呼ばれた
時点でわたしをつめたーく一瞥したあと、
背を向けて去っていくんです。」
「うーん。アレは照れ隠しなのか、本当に無視して
いるのかどちらなんでしょうね？
貴方なら分かります、偽者さん？」
軋間紅摩
「さて―――それは本物とやらに聞け。」
「オレとしては、おまえに危害を加えるのはひどく
気が滅入るようだが―――これも役割だ。
鬼に出会ったを不運と思え。」
琥珀
「はい、承知しております。
どうぞ遠慮なくその怪腕を振るってくださいまし。」
「これでも一宿一飯のお世話を任された身。紅摩さま
の為、心を鬼にして退治させていただきます。」
勝利時
「それでは、ごゆっくりお休みくださいな。
もし本物の方に声が届いているのでしたら、志貴さん
がいらっしゃらない時に遊びに来てくださいね♥」
8戦目 vs.ロア
ロア
「よう、待っていたぜ廃棄人形。
あの暗い穴蔵から、よくもまあ一人で
出てこられ―――」
琥珀
「あの、チェンジですネロさん。
お願いですから空気読んでくださいね？」
「ここ、ラスボス一歩前なんですから。もっと格好
良くて新キャラっぽい人じゃないと勤まりません。」
ロア
「―――ちょっと待て！」
「いい。他の連中がオレを知らないってのは、まあ、
流してやってもいい。うん、いいよ、仕方ないし。
つっこむのもつかれたし。」
「けどなあ、おまえがオレを知らねえって展開だけは
ねえだろうが！」
「頼むぜ、もうちょっとこう、オレがどれだけ
ラスボスに相応しいか説明してくれよ！」
琥珀
「はあ、そうは言われましても……わたしの知っている
四季さまは、そんなピアニストみたいな格好して
ませんしぃ。」
※「ピアニストみたいな格好」
TYPE-MOON二次創作短編集
『TAKE-MOON』
(漫画『かんなぎ』
の著者である武梨 えりの漫画)の一幕が所以。
氏の友人(月姫は未プレイ)にロアのイラストを見せたところ、
「この人、ピアニスト？」と返答された、と作中に描かれたのがきっかけ。
「えーと。ところで退いてくれません、ネロさん？」
ロア
「ネロじゃなえよ！
テメエ、分かってやってるだろうこのタヌキ！」
琥珀
「あは。やっぱりバレちゃいましたか。
はい、お名前でしたらきちんと存じております。
えーと、たしか……ネロアさま、でしたっけ？」
ロア
「おおお、ようやく勝ち取った参加枠だというのに
この仕打ち……！
そんなに、そんなにオレが憎いのか琥珀ぅ……！」
※月姫参照
勝利時
「能力的に勝っていようが、生物的に勝っていようが、
わたしたちの間にそんな基準は些末です。
ふふふ―――長年地下室で積み上げてきた上下関係、
体はたぁっぷり覚えているんですから♪」
9戦目 vs.オシリスの砂
オシリスの砂
「―――――――――」
琥珀
「……………まいりましたね。
前座は気の抜けた相手でしたが、最後に控えていた
のは冗談ではすまない方のようです。」
オシリスの砂
「―――――――――再演算、停止。
これより侵入個体を分解する。」
「侵入個体を統一言語に変換した後、最終記述を開始。
歴史を崩壊域までショートカット、その結末を
記録する。」
「演算器の血液に三割を。
七割をこの星の結晶化に使用する。」
琥珀
「……わたしなどでお相手が勤まるか、はなはだ疑問
ですが……他に止める方がいらっしゃらないのでは
仕方ありません。」
「では、いざ尋常に―――」
オシリスの砂
「私は冥界の鳥。
死に絶えるオシリスの砂。
霊長を救う、最後のアトラスである。」
「これより侵入個体を賢者の石に
変換する―――！」
勝利時
「……なんだか、話し合えば気が合う部類の
方っぽかったですが……申し訳ありません、
今のわたしはそれなりに前向きなんです。
虚無への供物は、貴方自身を捧げてください。」
※貴女の誤字
エピローグ
琥珀
「かくして町は元通り。」
「アレは一夜限りのタタリの再演で、シオンさんを
忘れていたのはあの夜だけで、消えていた人たちも
みーんな帰ってきましたねー。」
「……はあ。ご褒美がほしくて頑張っているワケでは
ありませんが、少し空しいですねー。」
「だいたい、わたしが失敗してもきっと他の方達で
なんとかしたんでしょうし。」
「これがホントの骨折り損のくたびれ……え？
違う？ ちゃんと意味はあった、ですかレンさん？」
レン
「………………」
琥珀
「―――なるほど。
たしかに仰る通りです。いつも通りのお料理ですが、
今日は少しだけ気分がいいですもの。」
「勝利の味なんて隠し味、滅多に使えません、はい♪」
|