軋間紅摩

1戦目4戦目 8戦目 9戦目 エピローグ
アルクェイドリーズバイフェ白レン七夜志貴-

登場


軋間紅摩
「……目を覚ましてみれば人里のただ中とは
さて、しこたま飲み過ぎたか、森の狐狸こりどもに
化かされたか。」

「意志を持つような熱気、霧に映し出される亡霊。
住人の姿はなく、街はざらついた沈黙に
包まれている。」

「……なるほど。
これでは物の怪が招く隠れ里だ。
鬼が徘徊するには相応しい舞台だろうか―――」

「断りもなく呼び出した代償は高くつくぞ。
鬼を必要とするものは、その果てに
鬼に食われるのが習わしだ。」



1戦目 vs.アルクェイド
勝利時
「夏の桜か。
真昼を歩く吸血鬼らしい舞台だったな。」



4戦目 vs.リーズバイフェ

リーズバイフェ
「到着早々、人間でないものに出迎えられるとはな。
しかし―――人でないとしても、礼節をわきまえた
武人とお見受けした。」

軋間紅摩
「さて。手慰みとして武術の真似事をしてはいるが、
武に己を捧げる程ではない。」

「武人と呼ばれるのは筋違いだ。
精神修行をしたいのなら他を当たれ。」


リーズバイフェ
「―――そうしたいのは山々だが、出合ってしまった
からには退く訳にはいかない。」

「私はリーズバイフェ・ストリンドヴァリ。
主の為に祈る、小さきものたちを守護する盾の騎士。」

軋間紅摩
「……物好きな衛士だ。
力自慢も善し悪しだな。怪力乱神かいりきらんしんを語らずと
いうが、自ら怪異に挑みたがるとは。」

リーズバイフェ
「気を悪くしたのなら謝罪する。
だが―――私もこの拳に誇りがる。」

「その豪腕の威容、見た目通りの物か確かめさせて
もらう!」



勝利時
「オレの腕は壊すだけのもの。
だがお前の腕は、人を護る為の剛力だ。
……優劣を比べるというのなら、初めからオレは
負けているさ。」



8戦目 vs.白レン

白レン
「ようこそ古き鬼の末裔さん。
貴方ほどの大物が招きに応じてくれるなんて、
パーティーの主催者として鼻が高いわ。」

軋間紅摩
「……さて。
怪猫かいびょうの類のようだが、オレと因縁があったのか?」

白レン
「貴方と? いいえ、残念ながら初対面よ。
貴方は素敵な殿方だもの、一度でも会っていたら、
決して手放さなかったでしょうし。」

軋間紅摩
「オレを呼びつけたのはそういう理由か。
血なまぐさい護衛をほしがっているようだな。」

白レン
「ええ、こう見えて敵が多い身なの。
それで、どう?
貴方は私のナイトになってくれるのかしら?」

軋間紅摩
「おまえが本物のおまえであるのなら、
話ぐらいは聞いてやるがな。」

「写し身と語り合うほど酔ってはいない。
他人の真似事はそこまでにしておけ。」

白レン
「あら。
私は内面まで完全に再現したコピーよ?」

「ファイル名が違うだけなのに、
二つ目だからって差別するの?」

軋間紅摩
「ああ。本物を語るのなら、人に選ばせるより
先にやるコトがあるだろう。」

「なにしろ自分の問題だ。
おまえがおまえと決着をつけた後なら、
本物であろうと偽者であろうと話にはのってやるが。」


白レン
「……生き残った方が本物というわけ?
じゃあアナタは? 今そうしているアナタは紛れも
なくアナタでしょう?」

「このまま消えてしまっていいの?」

軋間紅摩
「そうだな。少々惜しいが、一夜で消え去るのなら
それも運命だろう。」

「第一、おまえとオレは合わない。雪と炎では、
どちらかが食い尽くされるだけだろうに。」


白レン
「……そう。なら試してみる?
吸血鬼の真似事は趣味じゃないけど、
貴方の血は美味しそうだし。」

「私のものにならないのなら、ここで消えてしまい
なさい―――!」



勝利時
「夏に降る雪は一夜で消える。
お互いカゲロウに等しい幻影だが、おまえは最期に、
死を以て生を語ったな。」



9戦目 vs.七夜志貴

七夜志貴
「―――ひどいねぇ。
遊びとはいえ、ようやく得た相棒だったんだが……
まあ、アンタが相手じゃ無理もないか。」

軋間紅摩
「貴様は……なな黄理きりの息子か。」

七夜志貴
「ああ、そうだよ紅赤朱くれないせきしゅ
そっちは覚えちゃいないだろうが、オレは会いたくて
会いたくて仕方がなかったんだぜ?」

「アンタ、仙人みたいに山に籠もっちまったからなあ。
オレの方から探し出す事もできなかった。」

軋間紅摩
「―――ではどうする。
出会ったからには父親の仇でも討つか?」

七夜志貴
「それ以外にする事なんざないだろ?」

「ああ、けど勘違いしないでくれ。
父親の事はどうでもいいんだ。」

「単にさ、三度の飯より殺しが大好きなだけでね。
ほら。お互い、そういう生き物だろ?」

軋間紅摩
「―――そのようだな。抜け出たつもりだったが、
おまえのような獣を招くようでは、まだまだ
解脱はできぬらしい。」

七夜志貴
「ハ!
無理無理、アンタは一生地獄の鬼だ。」

「鬼は鬼同士、遠慮なく憎みあって、未練なく共食いと
いこうじゃないか!」



エピローグ

軋間紅摩
「―――惜しいな。
お前の父は確実にオレの首を砕いたが、おまえは
肉を裂くにとどまった。」

「もっとも共食いが目的だったのなら、
おまえの勝ちでもあるのだが。」

「生き残ったところで体が消えるのであれば、
相打ちと変わりはない。」

「あの怪猫の言う通り、オレも一夜の夢にすぎん。
それが良いものであったか悪いものであったかは、
さて―――」

「まあ、愉快だったのは疑うべきでもない。
もし次があるのなら、写し猫に礼の一つでも
言っておかなくてはな。」



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