エピローグ


軋間紅摩
「―――惜しいな。
お前の父は確実にオレの首を砕いたが、おまえは
肉を裂くにとどまった。」

「もっとも共食いが目的だったのなら、
おまえの勝ちでもあるのだが。」

「生き残ったところで体が消えるのであれば、
相打ちと変わりはない。」

「あの怪猫の言う通り、オレも一夜の夢にすぎん。
それが良いものであったか悪いものであったかは、
さて―――」

「まあ、愉快だったのは疑うべきでもない。
もし次があるのなら、写し猫に礼の一つでも
言っておかなくてはな。」

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