七夜志貴

1戦目4戦目 8戦目 9戦目 エピローグ
ロア有間都古白レン軋間紅摩-

登場
1戦目 vs.ロア


七夜志貴
「おい、何の冗談だ?
音はすれども姿はなし。夜は始まったばかりだって
いうのに、街から人間がいなくなっちまった。」

「代わり蠢いてやがるのは影だの死人だの
正義の味方だの。
節操のなさに呆れるね、まったく。」

「で? アンタはどのたぐいだ?
死人か、オレのお仲間か。ま、知らない顔じゃなし、
訊くまでもないんだがね。」

ロア
「ああ、その両方だよデッドマン。
この体は動く屍。血を吸う鬼であり、
殺しを享楽する人でなしさ。」

七夜志貴
「そりゃ残念、余分なモノが混じっている。
また・・長話でもしたいところだが、
吸血鬼分は不要だよ。」
※歌月十夜参照



勝利時
「感謝するよ。これから鬼退治に向かうところでね。
手始めに吸血鬼をバラせたのは、ゲンがいいと
思わないか?」



4戦目 vs.有間都古




有間都古
「あ―――よ、よかった、お兄ちゃんだぁ!
うわああん、怖かったよお!」

七夜志貴
「うお!?
な、なんだ、新手の奇襲か!?」

有間都古
「ネコのせいで道に迷っちゃって、
知らないところまで来ちゃったの!」

「で、でも良かった、お兄ちゃんがいるならすぐに
家に帰れるよね!」

七夜志貴
「いや、それはどうだろうね?
助けがきたからって安心するのは早いよ都古ちゃん。
そもそも、このお兄ちゃんは本物かな?」

有間都古
「え―――あ、あれ?
えっと……志貴、お兄ちゃん、だよね?」

七夜志貴
「ああ。間違いなく志貴・・お兄ちゃんだ。
もっとも、フルネームになると途端に怪しく
なるんだが。」

有間都古
「っ、お兄ちゃんの偽者だな……!
だ、騙されないからね、やっつけてやる!」

「……でも……おっかしいなあ、ホントに違う
人なの……? ちょっと怖いけど、やっぱり
お兄ちゃんだと思うんだけどなあ……」



勝利時
「とりあえず失神させたが、困ったな。
ご主人さまから女子供は相手にするなと言われて
いてね。……面倒だが家まで送り届けておくか……」



8戦目 vs.白レン


白レン
「―――自由時間は終わりよ七夜。
随分と好き放題やったんだから満足でしょう?
おとなしく眠りなさい。」

七夜志貴
「おや。ご主人さま自らお出迎えとは光栄のいたりだが
―――おかしいな。
ここはアンタの領域じゃない筈だが。」

白レン
「貴方の住む世界でもないけどね。
―――さあ、帰りなさい。夜が明けるまでに街に
戻らないと消えてしまうわ。」

「私が悪夢として繋ぎ止めていると言っても、
貴方はタタリが生み出した幻。
あの街から離れてはいけないの。」

七夜志貴
「ああ、そうらしいな。
さっきからどうも体の調子が悪い。」

「どれだけ手当てしても傷は傷のままだしな。
痛みはともかく、性能が落ちるのは問題だ。」

白レン
「でしょう?
でも安心なさい、街に戻れば私が手当てをしてあげる。
だから―――」

七夜志貴
「いや、まだ十分に動けるよ。
オレはこの先に用があるんで、帰りたければ先に
帰っていればいい。」

白レン
「―――ダメ。この先には行かせない。
貴方は私と帰るのよ七夜。
言うことをきかないのなら―――」

七夜志貴
「力ずく、かい?
まったく、今夜はなんて日だ。」

「いつかはそうするつもりだったが、
予定が一気に早まった。」

「前にも言ったよな、オレはオレを呼び出したモノを
殺すと。」

「ま、今まで分不相応に愉しませてもらったよ
ご主人さま。」



勝利時
「オレもアンタも不確かな水月だ。
もとより存在しないもの。夏の雪に千切れて消える
のが、互いに幸福なんだろうさ―――」



敗北時
「……言うことを聞かないから……こうなるのよ。
さよなら、バカな殺人貴。キザで、飽きっぽくて、
酷薄で、悪趣味で……それと、ほんの少しだけ
優しかったわ。それだけは、ちゃんと覚えていてあげる。」



9戦目 vs.軋間紅摩

七夜志貴
「よう、待たせたな。
そっちの準備は済んで―――いるよな。」

「いつまでも、余計な荷物を持っているような
顔じゃない。」

軋間紅摩
「そうでもないがな。
生きている限りはしがらみだらけだ。」

「その証拠に、こうしてオマエのような餓鬼に
付きまとわれている。」

七夜志貴
「はは。いや、それは失礼。
でもまあ、それも今夜で終わりだ。」

「結果はどうなるにせよ、
多少は身軽になるんじゃないか?」

軋間紅摩
「……そういうオマエは何か変わったな。
以前は獣と話している気にしかならなかったが。
今は、まるで人のようだ。」

七夜志貴
「ああ。色々と未練とか義理を精算したところでね。
有り体に言えばいつ死んでもいいって状態さ。
まあ、その前に―――」

軋間紅摩
「―――フ。人になろうがその執着だけは
捨てされないと見える。」

「未練は捨てた。義理は果たした。
後は、己であった証を残すのみ。」

七夜志貴
「そういうコト。七夜としての誇りを精算しとか
なくちゃあ、恥ずかしくてあの世にもいけやしない。」

「―――人生最初で最後の鬼退治だ。
お互い、遠慮なしで燃え尽きようぜ!」



エピローグ


七夜志貴
「やべえ―――コトが終われば塵のように消える
つもりだったってのに。
未練ができちまったぜ、軋間。」


軋間紅摩
「…………」

七夜志貴
「楽しい。楽しすぎだってアンタ。
十何年の人生なんて話にならない。
今の二分間の充実には到底及ばない。」

「なあ、そうだろ?
なんかもう色々どうでもよくなるぐらい、
最高の時間だったよな?」

軋間紅摩
「…………」

七夜志貴
「って、悪かった、喉を裂かれちゃ声は出ないわな。
ああくそ、こっちも目が見えなくなってきた。
すげえ勢いで血が流れてるからなあ。」
※七夜が切り裂いた軋間の喉(首)は、
黄理が七夜殲滅の夜に軋間の首の骨を砕いた箇所と、同じ右側。
つまり親子で同じ攻撃手段を用いている。

「くそ、もう少し、もう一秒だけでもいいから
続けていたかったが―――この未練が、
オレたちには相応しいんだろうな。」

「……ああいや、勿体ないぐらい上等か。
時間切れで消えるより何倍もマシな最期だ。
人でなしにしては恵まれすぎてる。」

「……まったく。
地獄に落ちたら、八熱巡りぐらいは覚悟しておくと
するか―――」



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