エピローグ
七夜志貴
「やべえ―――コトが終われば塵のように消える
つもりだったってのに。
未練ができちまったぜ、軋間。」
軋間紅摩
「…………」
七夜志貴
「楽しい。楽しすぎだってアンタ。
十何年の人生なんて話にならない。
今の二分間の充実には到底及ばない。」
「なあ、そうだろ?
なんかもう色々どうでもよくなるぐらい、
最高の時間だったよな?」
軋間紅摩
「…………」
七夜志貴
「って、悪かった、喉を裂かれちゃ声は出ないわな。
ああくそ、こっちも目が見えなくなってきた。
すげえ勢いで血が流れてるからなあ。」
※七夜が切り裂いた軋間の喉(首)は、
黄理が七夜殲滅の夜に軋間の首の骨を砕いた箇所と、同じ右側。
つまり親子で同じ攻撃手段を用いている。
「くそ、もう少し、もう一秒だけでもいいから
続けていたかったが―――この未練が、
オレたちには相応しいんだろうな。」
「……ああいや、勿体ないぐらい上等か。
時間切れで消えるより何倍もマシな最期だ。
人でなしにしては恵まれすぎてる。」
「……まったく。
地獄に落ちたら、八熱巡りぐらいは覚悟しておくと
するか―――」
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