リーズバイフェ・ストリンドヴァリ

通常シナリオ(1、4、8、9戦目のみ固定)
1戦目2戦目3戦目4戦目5戦目6戦目7戦目8戦目9戦目エピローグ
七夜志貴メカヒスイネロ・カオスシエル赤主秋葉ネコアルクロアワラキアの夜オシリスの砂-
※2、3、5、6、7戦目に関しては該当のキャラが相手の場合シナリオ発生

真シナリオ(キャラ選択時にR1を押しながら選択)
1戦目 2戦目 3戦目 4戦目 5戦目 6戦目 7戦目 8戦目 9戦目 10戦目 11戦目 エピローグ
蒼崎青子七夜志貴メカヒスイネロ・カオスシエル赤主秋葉ネコアルクロア吸血鬼シオンワラキアの夜オシリスの砂-

登場

リーズバイフェ
「……星の光もない夜の中。
夜が生き物だとしたら真っ黒い鯨で、そんな鯨から
はき出されるように、私はのっそりと目を覚ました。」


???(ワラキア)
「―――使命を果たせ聖堂の騎士。
肉体は破れようと信心は永却不可侵。」

「魔を弾く聖盾ガマリエルが光を奏で続ける
かぎり、汝の魂は美しく歌い続ける。」

リーズバイフェ
「ここは……いや、私は……誰だろう。
何かも、りすぎて分からない。」

「……いやだな。そういうのは、
私の好きな私じゃないのに。」

???(ワラキア)
「弦をとれ、鉄拳を挙げろ城塞のおと
三年越しの再演アンコールの時間だ。」

リーズバイフェ
「……人の声……意味の分かる雑多な音……
うん、段々思い出してきた……“私”らしい、
頭の悪さになってきた―――」

「光―――なんて眩しい、夜の光。」

「ここが日本か。吸血鬼討伐とは言え、こんな僻地に
までとばされるとはな。」

「……うん。まあ、以前から興味はあったし、
まるっきり損というワケでもないけど。」

「……しかし、連絡員はいないのか?
吸血鬼を討伐しろと言われたが、案内役がいない
のでは話にならないが―――」

「―――なんて騒々しい街だ。
ここまで肌触りな雑音おとに満ちた街なら、
目を瞑っていても死徒につき当たる。」

「とりあえず幾つか拠点を潰して、こちらの陣地を
確保しておく事が肝要か。」

「……うん、まあ。補佐役の魔術師と合流するのは、
その後でいいだろう。」



1戦目 vs.蒼崎青子

蒼崎青子
「はい、ちょい待った、そこのやる気に満ちあふれて
いるお兄さん。」

「悪いけど、貴方を街に行かせる訳にはいかないわ。
ここで大人しく夜を明かさない?」

リーズバイフェ
「? 補佐役の魔術師か?
ここで夜を明かせとはどういう事だ。
協会からそんな指示がきているのか?」

蒼崎青子
「まさか。協会とは仲違いしてる身だし、教会にも
縁はないわ。」

「私が声をかけたのは個人的なお節介よ。
今の貴方じゃ、この先に行っても何の意味も
ないってね。」


リーズバイフェ
「……何か含むところがあるようだが。
どちらの勢力にも属していないのなら、
君は無秩序な異端という事になる。」

「つまり―――」

蒼崎青子
「げ、そうくるのかあ。
けっこう似たもの同士な気がしたけど、
そっちがその気なら仕方がない。」


「そのルールにがんじがらめな頭、
一発なぐってスッキリさせてげましょう!」

リーズバイフェ
「……悪意のない、凛とした高音……。
いずれ名のなる魔術師とお見受けしたが、
教会の敵であるのなら戦うまで。」

「私はリーズバイフェ・ストリンドヴァリ。
聖堂教会を守護するヴェステル弦楯騎士団の
長にして、正式外典ガマリエルを再現する者。」

「ゆくぞメイガス。
その身をまとった神秘、一切を打ち消そう―――!」



勝利時
「……あっさりと逃げられた。
傷が浅いのは幸いだが……お兄さんっていうのは、
ひどい言われようだ……」



2戦目 vs.七夜志貴

リーズバイフェ
「……音が途絶えた。
あれだけ騒がしかった人の音が、
こんなにも唐突に消えるなんて―――」


七夜志貴
「いや、そうおかしな話じゃあない。
無音もまた音の一つだ。」

「演出だよ、演出。華やかなだけの舞台では退屈する。
音楽も物語も緩急あってのものだろう?」


リーズバイフェ
「! 死徒……いや、使い魔の類か。
私の前に現れたのは、足止めか?」

七夜志貴
「いや、単なる趣味なんだがね。」

「なんというか、アンタは今までいなかったタイプの
獲物でさ。封をあけてない葡萄酒を見ると、
とりあえず試したくなるタチなんだ。」

「まあ―――身持ち堅すぎて、何年ものかは味わって
見てのお楽しみってところだが。」

「いや、そもそも赤なのか白なのか。
性別すら剥いでみないと分からないっていうのは、
ますますもって面白いな!」

リーズバイフェ
「……生まれもっての異端者か。挑戦を受けよう。
私を切り裂くというのならこの聖盾ごと破るがいい。」

「私はその汚れた魂を、肺腑ごと、御使いの杭で
貫くのみだ。」




勝利時
「……無音などという音はない。
あるとしたら、それは死の具現に他ならないが……
君は、その化身だったのかもしれないな。」



3戦目 vs.メカヒスイ


リーズバイフェ
「ん……?
歯車とゼンマイ、バネとゴムのねじれる音……
こんな精妙で大ざっぱな音程は正気の沙汰では―――」

メカヒスイ
「ピピ。殲滅対象、補足。
攻撃ヲ 開始シマス。」

リーズバイフェ
自動オート人形マタ……?
いや、それにしても……なんていうか、コレは……
これが、噂に聞いた日本のアート……」

メカヒスイ
「敵 未知数ノ武装ヲ所持。
性別モ ヨク 判別 デキマセン。
トリアエズ 剥キマス。」


リーズバイフェ
「く、気が進まないは応戦する!
しかし信じられない。こんな―――
こんな趣味をした魔術師が、現実にいるなんて……!」




勝利時
「……破壊してしまった……。
しかし、なんて―――芸術的な造型なんだろう。
……これ、直るかなぁ……できれば欲しいなぁ、
一台……」



4戦目 vs.ネロ・カオス

リーズバイフェ
「……この、ひときわ大きな雑音……荒れ狂う
獣の楽団……おまえがこの街に巣くう吸血鬼か。」

ネロ・カオス
「ほう。同種の気配を辿ってみれば、意外なモノに
出くわしたな。」

「聖地の守護にのみ動く聖堂騎士がこのような
極東に現れるとは。」

「どのような理由であれ、おまえたちが神なき地に
遠征する事は許されない。
その誓約は純血のままか、盾の乙女?」

リーズバイフェ
「ぁ―――それは―――たしかに―――」


ネロ・カオス
「ふむ。どうやら当たりか。
そちらの探し人は私ではないが、
こちらの探し物は貴様のようだ。」

「消化不良の元は、ここで断っておかねばな。」

リーズバイフェ
「っ―――!
悩むのは後だ、今は吸血鬼を倒さなければ……!」



勝利時
「また……手応えがない……どうなっているんだ
この街は。……いや、違う。どうにかなっている
のは、私の体の方なのか……」



5戦目 vs.シエル

シエル
「盾の騎士リーズバイフェ。
パウロの黙示録、エジプト人による福音……」

「その二つの外典によって鍛えられた
聖盾・ガマリエルに選ばれた法の奏者。」

「さながら音と法律の調停者、というところ
でしょうか。」

「信徒の中の信徒。
ゲッセバルネ枢機卿の寵児とまで言われた貴方が、
こんな僻地にやってくるとは。」
※貴女の誤字?

「まさに世も末、というヤツですね。」

リーズバイフェ
「……口がすぎるぞ代行者シエル。
世の荒廃を嘆くのならともかく、笑うとは何事だ。」

「いかに特例の集う埋葬機関にあっても君が
信徒である事に変わりはない。」

シエル
「これは失礼。そう聞こえたのなら慎みましょう。
けれどリーズバイフェ。主の威光を汚しているのは
私ではなく貴方だと思いますが?」

「一度でも死徒に屈した騎士が、純血を誇れると
お思いですか?」

リーズバイフェ
「…………それは、どういう事だろう。」

「聞かせてほしい代行者シエル。
君の言葉で、はっきりと。行き場をなくした私にも、
最後の決断ができるように。」

シエル
「……その様子では自分が何者なのか、
薄々気づいているようですね。」

「―――私は代行者としての勤めを果たすだけ。
その答えは自分で見つけなさいリーズバイフェ。
貴方の戦いは、どのみち今夜で終わるのだから。」

リーズバイフェ
「……まったく、性格の悪い女だ。
親切すぎるのも人を疲れさせると教わらなかった
のかな、君は。」

シエル
「あいにく、貴方のように正しい学舎には
いなかったもので。」

「―――では行きますよ盾の騎士。
私と同じ杭撃ちドラクルアンカーの使い手。」

「ま、これは本当に内緒なんですが。教会でただ一人、
真っ向から競ってみたかった相手です。」


リーズバイフェ
「望むところだ。話に聞く第七聖典がどれほどの
鉄槌か、こちらもずっと気になっていた。」


「どちらの音がより高く響くか―――野蛮だが、
撃ち合う事で確かめるとしよう!」



勝利時
「……これだけの深手を追ってもまったく痛みを
感じない。戦いの終わり、か……その通りだ代行者。
私の最期になったこの討伐……それがどちらに
傾いても、待っているものは変わらないのだから。」



6戦目 vs.赤主秋葉

赤主秋葉
「お疲れのようね、凛々しい騎士さん?
苦しいのならここで休んでいくのはどうかしら。」

「たまには剣を納めて、公園のベンチで人生を
振り返るのもよろしいのではなくて?」


リーズバイフェ
「―――ふ。
ふふ、ふふふ。」


赤主秋葉
「あら大ウケ?
……おかしいわね。遠回しに殺してあげるって
言ったつもりなんだけど。」

「貴方、もしかして酔ってらっしゃる?」

リーズバイフェ
「は、は―――いや、気遣いは無用に願う。」

「酒は飲んでいないし、焦燥に酔っている訳でも
ないんだ。なんというか、君たちの節操のなさが
ツボに入ってしまった。」

「殺人鬼に吸血鬼、オートマタに代行者。
果ては君のような混血までいるときた。
―――うん。賑やかでいいね、この街は。」

赤主秋葉
「それはどうも。
たしかに騒がしいパーティーですけど、貴方も
その一端を担っていると自覚はあって?」

リーズバイフェ
「ああ。私はこの街にいなかった変わり種
なんだろうな。本来ここにいないもの、いては
都合の悪いもの。」

「……だからこそ、その役目を果たさなければ
ならないようだ。」

赤主秋葉
「―――困った人。
貴方がいては再演算が正しく行われないと、
彼女が嘆いているのが聞こえないなんて。」

「雑音になれない配役は、ここで消えてしまいなさい。」



勝利時
「今の少女も幻影か。……うん、思い出してきた。
この手口はヤツのものだ。私の最期の討伐。
倒すべき“ワラキアの夜”に、私は返却かえってきた―――」



7戦目 vs.ネコアルク

リーズバイフェ
「???
おかしいな、あのビルに向かって公園を出たのに……
なんなんだ、ここは。」

ネコアルク
「むっふっふ、ようこそお派手なニューフェイス。
そのカッチョいいデスペラードな武器に、
我らネコ一同、恐怖と尊敬の念がたまりません。」

リーズバイフェ
「………………………………ネコだ。」

ネコアルク
「にゃっ!? わ、我々を一目見ただけでネコだと
分かってくれる人格者がついに現れましたよ!?」

「ちょ、待った、今の録音してたかエリートネコ部隊の
精鋭だちよ!?」

「とりあえずお茶とケーキとネコ踊りの用意だ!
こ、この稀なるお方をベロベロに酔わせて、
あたしたちの仲間にしよう、ぜっ!」


リーズバイフェ
「…………………………………うん。
……………………これは、倒さないと。」


ネコアルク
「はい? なんで盾とか構えますか?
つーかにゃんだその殺気。」

「お、おまえもしかして、ネコアレルギーか
何かの人か!?」

リーズバイフェ
「……………………いっぱい。
キモいのが、いっぱい…………」

ネコアルク
「にゃ――――――!!!!?
こ、こいつ目がすわってやがるぅ!?」




勝利時
「……キモい……可愛い……キモい……可愛い……
キモ可愛い…………は!? い、いま、とても幸福な
生き物を見た気がしたけど……ゆ、夢だよね、あんな
楽園、夢に決まってる。」



8戦目 vs.ロア

リーズバイフェ
「よかった、あそこから地上に出られそうだ。
……だが。その前に、倒さなければならない悪鬼が
いるようだ。」

ロア
「ようご同輩。
そう殺気立つなよ。お互い一夜かぎりの命だ。
ここで殺し合っても得はないと思うがねぇ。」

リーズバイフェ
「そうはいかない。
仮に、あと一時の命だとしても吸血鬼は打ち倒す。
それが我ら聖堂騎士の鉄戒だ。」

「貴君も名のある死徒であろう。
無為に散りゆく命ならば、ここで火花と散るを
誉れとしろ。」

ロア
「……ふむ。なるほど、高潔な志だ。」

「あの腐れた教会がさらに腐れてはや八百年
経ったが……おまえのような武人がいるのなら、
そう捨てたものではないか。」
※ロアは教会の司祭であり、後の埋葬機関となった部門の設立者。

「ナルバレックの抜本ばっぽんはうまくいったと見える。」
※ナルバレック…埋葬機関の創設者の女性。
ロアが構成した埋葬機関を管轄する事になった。
 尚、今代のナルバレックも女性で、既に死徒二十七祖を封印した実績を持つ実力者。

リーズバイフェ
「ナルバレック……埋葬機関の局長だな。 貴君は、もしや教会の?」

ロア
「昔の話さ。今はおまえと同じ、タタリによって
生み出された―――」

「いや、違うな。
オレはこの土地の記憶だが、おまえはよその記憶だ。
そうか―――おまえ、まだ生きているな?」

リーズバイフェ
「な……私が、なんだと?」

ロア
「―――まあいいさ。
オレも退屈していた所でね。そういう事なら、
その温かい血をいただこう。」

「なに、所詮これも一夜の幻。
血を吸われ魔に堕ちる感覚も、
そう嫌悪したものではないぞ!」



勝利時
「吸血鬼ロア――アカシャの蛇がなぜ
この街に……? いや、これも幻だ。魂の不死を
実現させた吸血鬼は、既に消え去っていたらしい」



9戦目 vs.吸血鬼シオン


吸血鬼シオン
「―――、―――、―――」

リーズバイフェ
「……ああ。
そういう事だったのですね、シオン。」

「この夜は三年前の続き。
私は貴方を逃がし、タタリに破れ。
貴方はその後も、そうして吸血鬼に抗い続けてきた。」
※貴女の誤字

吸血鬼シオン
「―――……ごめん、なさい―――
こんなつもりじゃ―――なかった、のに。」

「わたし、は、貴女まで、こんな―――弄ぶように、
苦しめて、きた―――」


リーズバイフェ
「―――うん。それには正直、思うところもある。
だからここで決着をつけよう。」

「アトラスの錬金術師、
シオン・エルトナム・アトラシアよ。」

「ヴェステル弦楯騎士団団長、
リーズバイフェ・ストリンドヴァリが、
その偉大なる知識の研鑽に挑戦する。」

「覚悟はありや?」

吸血鬼シオン
「リーズバイフェ、貴女は―――。
……もちろん。全力で来なさい聖盾の騎士。」

「この身は貴女におよびもつかぬ魔を帯びている。
以前の私と思わぬように。」

リーズバイフェ
「分かっている。相手が何であろうと、それが魔である
のなら、我が盾は聖歌を奏でる。
滅びよ吸血鬼。残された最後のすくいを与えよう。」

吸血鬼シオン
「―――はい。
ありがとう、リーズ―――」



勝利時
「長い間、君を一人で苦しませてきた。
……眠りなさいシオン。私もすぐに煉獄そこに向かいます。
―――そう。この夜が明ける頃には。」



10戦目 vs.ワラキアの夜

ワラキアの夜
「ようこそ盾の騎士。
三年越しの再演はいかがだったかね?」

「満足のいく筋書きであったのなら、演出家として
私も喜ばしいのだが。」

リーズバイフェ
「―――ワラキアの夜。
固有結界・タタリによって現象と化した死徒。」

「……そうだ。
おまえの討伐が、私の最期の任務だった。」

ワラキアの夜
「だった……?
これはおかしな事を。君は今も生きている。」

「たしかにリーズバイフェ・ストリンドヴァリは
私に破れ、情報として解体・解析され、タタリに
飲み込まれた。」

「だが―――その盾の加護が、君の消化を遅らせた。」

「三年もの間、君は盾に守られながらタタリの中で
過ごし、こうして、タタリの起動とともに外界に
吐き出された。」

「食事と同じだよリーズバイフェ。
消化しきれぬモノを胃に収めてしまった時は、吐き
出してしまうのが一番てっとり早い解決法だからね。」

リーズバイフェ
「―――その通りだ吸血鬼。
私はずっとタタリの中で眠っていた。」

「三年前の夜、おまえに飲まれた私は―――
さながら時を翔けたように、この夜に目を覚ました。」

「だが。
それは本来ありえない事だ。
ズェピア・エルトナム・オベローンよ。」

「私はおまえが起動するタタリでは現れないもの。」

「盾に守られていたといえ、私は既におまえの手に
よって死んでいる。」

「ただ情報として解体されなかっただけだ。
この私も、今宵かぎりの幻に他ならない。」

ワラキアの夜
「その通り。
その体は私は情報から再現した幻だ。
それがどう違うというのかね?」

リーズバイフェ
「おまえの“タタリ”では、私は外に吐き出されない。
消化しきれぬまま残されただけだろう。」

「私が外に吐き出された理由はただ一つ。
……彼女が、私を取り込む事を嫌ったからだ。」

ワラキアの夜
「―――ほう。
その言いぶりでは、まるでもう一人、タタリの主が
いるように聞こえるが―――」

リーズバイフェ
「事実だ、ズェピア。
おまえのタタリ……“ワラキアの夜”では
リーズバイフェは再現されない。」

「この夜は“ワラキアの夜”ではない、まったく
別のタタリだ。」

「おまえですら、何者かによって再現された情報に
すぎない。」


ワラキアの夜
「は―――はは、はははははははは!」

「何を言い出すかと思えば、私以外にタタリがいると?
盾に守られていただけの痛みモノが何を言い出すかと
思えば!」

「まったく―――実に筋が通っている!」

「よろしい、実に滑稽だ盾の乙女!
どうやら真打ちは私の背後にいるらしい!」

リーズバイフェ
「そういう事だ、滅び去った虚言の王よ。
大人しく消え去ればよし。」


「いまだ残るのならば―――三年前の決着を、
ここで完全に果たしてやる―――!」



11戦目 vs.オシリスの砂

リーズバイフェ
「―――音が、死んでいる。
ここは何処だ。ミサキ町ではない。
いや、世界の何処にも該当しない。」

「これではまるで―――」


???
「ここは怨年の果て。」

「ワラキアの夜を倒す為に真祖が呼び寄せた、
この星の死の未来―――私が目指す、還るべき
黒い大地だ。」


オシリスの砂
「再演算、停止。
ワラキアの夜を破壊した性能は認めよう。」

「だが不可解だ。私の防衛機構の一端が、
なぜ私の再演を阻むのか。」

リーズバイフェ
「貴女はシオン……
いや、タタリに呑まれたシオンの残骸か。」

「このタタリはズェピアではなく、
おまえが引き起こした新しいタタリだな?」

オシリスの砂
「そうだ。
ワラキアの夜が起動させた“幻影の夏”の再演。」

「あと一歩で第六に届いたタタリを再現し、
その結末だけを修正する。」
※第六・・・第六法 詳細不明
朱い月が待ってるものでありワラキアの夜が目指したもの
秩序を滅ぼすもの?

「その為の要因としておまえを解散したというのに、
なぜ私に近づく。」

「おまえには、本体である私―――演算機ヘルメス
近づいてはならない、とプログラムした筈だが。」
※演算器の誤字

リーズバイフェ
「それが何処かで狂ったのだろう。」

「いや。……私を防衛に使おうとしたのはおまえ
ではなく、その姿に変わり果てる前の彼女の願い
だったのかもしれない。」

「彼女の望みはタタリの消滅。
ワラキアを倒したところで、それを上回る
タタリの誕生など、許容できる筈がない。」

オシリスの砂
「その認識は間違いだ。
私は望んでこのカタチになった。」

「シオン・エルトナム・アトラシアの目的は
未来の守護。回避できぬ破滅から霊長を守る為の
未来予測と、その救助法の確立だ。」

「私はその為に成長した。
私はその為にタタリを拝命し二十七祖となった。」

「私は冥界の鳥。
私はオシリスの砂。
霊長を保存する、アトラスの巨人である。」

リーズバイフェ
「……まったく。はじめて会った時から、
君は一人で思い詰めてしまう子だったな。」

「けどそれは違うんだシオン。
君が機械に徹するというのなら、他人の為に働くのも
いいだろう。だがその姿はいまだ人のまま。」

「なら―――まずは自分の幸福を探しなさい。
人間のなんたるかを理解できないモノが、
人間を救うなど口にするべきではにんだ。」

オシリスの砂
「そのような感情が貴方たち人間を滅ぼしたのだ。」

「―――残念だ。優秀な防衛機能だったか、
最後に故障してしまうとは。その体に預けた
私の機能を、ここで返してもらうとしよう。」


リーズバイフェ
「―――もちろん。
私の機能だけと言わず、その間違った機構、
一切を無に帰そう。」


「来るがいいオシリスの砂。
机上の空論は、ここで燃え尽きるのみだ。」



エピローグ


オシリスの砂
「あ、あ―――賢者の石が―――溶けていく―――
私の―――いいえ―――貴方を救う為に作り上げた
かった―――死も、吸血鬼化も癒す、命の水が。」
※貴女の誤字

リーズバイフェ
「…………それは良くない夢だ。
私は一瞬たりとも悪夢など見なかったが。」

「……君は倒錯した時間の中で、永劫に近い悪夢に
魘されていたのだな、シオン。」

オシリスの砂
「―――リーズバイフェ……?
―――そうだ。私は、貴方に謝らないと。」

「貴方に助けてもらったのに、私は、不甲斐なくて。
ワラキアの手で吸血鬼にされて―――」

「―――ああ、貴女の杭が、刺さっている。
……良かった。残骸は私の方で、今もシオンは
吸血鬼化と戦っているだろうけど。」

「この私は、最期に、貴女の手で―――」

リーズバイフェ
「……そうだな。
すまないシオン。二度も君を、この手で貫いた。」

オシリスの砂
「いえ。それでいいのですリーズバイフェ。
聖盾に選ばれた守護の騎士よ。」

「貴女はその名の通り―――最後まで、私の魂を
守ってくれた。」

リーズバイフェ
「そうであったのなら嬉しいな。
……さあ、眠りなさいシオン。
今度こそ、悪い夢に捕まらないように。」

オシリスの砂
「ええ。……おやすみなさい、リーズ。
貴女にも、良い―――」

リーズバイフェ
「……ああ。私も次は、夢のある眠りに落ちるよ。
カーテンコールは二度とない。
一夜かぎりの悪夢は、これで本当におしまいだ。」

「……私も眠くなってきた。
少しだけ後のことが心配だけど、あの代行者が
うまくやってくれるだろう。」

「……さようならシオン。
叶うのなら、この暗闇の後に、
貴女と再会できる事を願って―――」



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