エピローグ


遠野志貴
「―――夜明けだ。
頭痛もなくなったし、街を覆っていた異様な熱気も
消えた……これで本当に、タタリは終わったんだな。」

シオン
「ええ。私が解決すべき問題でしたが、志貴が一人で
終わらせてくれました。」

「……志貴にとっては納得のいく解決ではなかった
でしょうが、彼女にとっては、これが一番幸福な
終わりだったのかもしれません。」

遠野志貴
「―――そうなのかな。
自分をタタリだって言っていたシオンは、なんて
いうか……すごく、寂しそうだったんだけど……」

シオン
「はい。……だからこそ、貴方の手で破壊されたのが
救いだったのです。」

「彼女が何者であったのか。このタタリがなんで
あったのかは、もう貴方には関わりのない事だ。」

「……でも、できれば。貴方が感じたままの彼女を、
どうか覚えていてあげてほしい。」

遠野志貴
「ああ、それはもちろん。
ま、シオンも大人になったああなるんだって
分かったし、そう簡単には忘れられないよ。」

シオン
「っ、あの状況でそんなコトを考えていたのですか
アンタは!」

「前言は撤回です、忘れなさい、大人になった
私のコトなど忘れなさいっ!」

遠野志貴
「うわ、ちょっと待て、落ち着けシオン!
銃、銃を持ち出すのはナシだってばー!」

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