両儀式

1戦目4戦目 8戦目 9戦目 エピローグ
ランダムネロ・カオス白レン遠野志貴-

登場


両儀式
「―――ふと、目が覚めた。」


「……寝苦しい。
暑さに鈍感なオレが目を覚ますなんて、よっぽどの
コトだぞ。今年一番の暑さじゃないのか、今夜は。」

「……はあ。野暮だけど仕方ない。
文明の利器に頼るか。
秋隆、悪いけど氷を持ってきて―――。」
※秋隆=硯木 秋隆(すずりぎ あきたか)
両儀家の使用人。式の養育係として両儀家に引き取られ、両儀の屋敷で生活している。


「……人の気配がないな。外も同じか。
……酷い話だ。
ほとんど死んでいるようなもんじゃないか、アレ。」

「……ふうん。オレを起こした理由は元凶退治か。
それとも、いい機会だから
白黒つけて来いってコト?」

「ま、どっちでもいいけど。
夢にしろうつつにしろ、
神さまってのは気まぐれで困るよな。」



4戦目 vs.ネロ・カオス

両儀式
「死の濃いところに来たつもりだけど、ハズレたか。
ここには黒幕も、目当ての相手もいない。
あるのは―――はしたない、猛獣の群れだけだ。」

ネロ・カオス
「ほう。姿は隠していたのだが、よく当てる。
気配で察したとも、匂いで察したとも思えん。
どのような方法で私の正体をた、女。」

両儀式
「別に。なんとなく識っていただけだよ。
それで、やるの、やらないの?
こっちはまだ眠いんだ。逃げるなら追わないけど?」


ネロ・カオス
「獲物を追いつめておきながら立ち去る狩人はいまい。
袋小路の出口はここだ。ねやに戻りたければ、
この体を超えていくがいい。」

両儀式
「……結局はこうなるワケか。
いいぜ、無間むげん殺しはこれで二度目だ。
どうあれ、マンション一棟解体するよりは楽だろう。」


勝利時
「これだけの怪人がやられ役かよ。
……まったく。どうなってるんだ。
この三咲町ってところは。」



8戦目 vs.白レン

白レン
「……とんでもない女ね。
さっさと自分の領域に帰りなさい。
この夜の元凶を倒しておきながら、まだ満足できないの?」

両儀式
「オレだって好きでやってるワケじゃない。
これ、要は宝クジなんだろ?
さっきのはただのハズレ。当たりを引くまでは帰れない。」

白レン
「ハズレですって?
タタリを殺すために呼ばれた
抑止力じゃないの、貴女は?」

両儀式
「うん? タタリって、さっきのでかいヤツ?
あんなの他の連中がなんとかするだろ。
トウコの妹にでもまかせておけばいい。」
※トウコ=蒼崎 橙子
※トウコの妹=蒼崎 青子

「オレの仕事は別でね。
どうも、目的は同族殺し・・・・らしいぜ?」

白レン
「……!
なら行かせない。生きている実感がないというのなら、
ここで永遠に眠りなさい!」


勝利時
「夢に招く化け猫か…………便利だな。
主人思いは結構だけど、
気の遣い方、間違えてないか?」



9戦目 vs.遠野志貴


両儀式
「なんだ、先客がいるじゃないか。
よう、そこの学生服。随分と歩かされたけど、
ここが終点で間違いない?」

遠野志貴
「さあ、どうだろう。
用件はどうあれ、これで終わりって事には
賛同したいところだけどね。」

両儀式
「違いない。なにしろいい月だ。
ここならお互いの獲物がよく見える。
じゃれあうにはもってこいの舞台だろ?」

遠野志貴
「……見かけ以上にぶっそうな人だな。
何はともあれこんばんは。
自己紹介の必要は―――ええっと、余分かな?」

両儀式
「いらない。名前とか素性とか、
知っても面倒くさいだけだし。そもそも、
おまえが何処の誰かなんて興味はないんだ。」

遠野志貴
「? 興味のない相手のために、
こんなところまでわざわざ?」

両儀式
「ああ。 『私』が急かすのなんて初めてだから。
今夜は特別だ。二度とこんな事がないよう、
徹底的に解体しようと思ってさ。」


「で。ここが終わりなら、
おまえがオレの獲物ってコト?」


遠野志貴
「そういうコトでいい。
柄じゃないけど今夜だけは特別だ。
その眼ともども、ここで大人しく立ち去ってもらう。」


両儀式
「へえ、ソレを目の当たりにするのは初めてだよ。
……なるほど、たしかにこいつは魔的だ。
なら―――。」

遠野志貴
「まったく同感だよ。
こんなモノは、ここで潔く―――。」


両儀式
「ああ、きっちり殺しておかないとなぁ―――!」



エピローグ


両儀式
「―――!
なんだ、この気配……!
さっきのが本命じゃなかったのか……!?」


(アルクェイド(姫))
「そのようだな。
そらことわりと星のことわりは別のもの。
我らの道はいずれ別れ、離れていく物だが―――。」


アルクェイド(姫)
「それすらもいとわしいか。
いずれ相容れぬさだめなら、
ここで結論を下しても同じと見たらしい。」

「まったく、性急なことよ。そちらの相は全てを含む
秩序だからな。選択肢が多いのはいいが、
一枚岩でないのは嘆息ものだぞ?」

両儀式
「な―――死が視えないどころじゃない。
死そのものがない。」


「―――おまえ―――そうか、おまえが。」

アルクェイド(姫)
「然り、語るまでもない。
この器は貴様を呼び出したモノの消去対象。
この星でもっとも遠大な寿命いのち顕現けんげんである。」

「だが、それも些末事よ。
貴様は単に、死なぬものに死を与えに来たのであろう?
感情に基づく行動だが、笑いはせん。」

「何故なら、私も同じだ。
そこに散らばった手足を見るとな、
ひどく笑みがこぼれる。故に、その挑発を受けよう。」

両儀式
「ハ、さっきの物好きの仇討ちか。
どうせ全部夢で、目が覚めれば無かった事になるって
いうのに、律儀なヤツ。」

「でも―――いいじゃないか。
やる気になったぜ化け物。
その気持ちなら、オレにもちゃんと理解できる。」

アルクェイド(姫)
「それは幸いだ。では―――
くようにはしるがよい下郎。
その死を以て、我が微笑えみを止めてみせよ。」

両儀式
「ふん、言ってろ吸血姫きゅうけつき
おまえが何であれ、
寿命が何万何億だろうと関係ない。」


「どっちにしろ夢の終わりだ。
行くぞ―――生きているなら、
神さまだって殺してみせる―――。」



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