エピローグ


リーズバイフェ
「ん……ここは……シオン?
私は……まだ残っている……の?」

シオン
「はい。貴女はこの三年、タタリの一部では
ありましたが、リーズバイフェのまま分解されずに
組み込まれていたのです。」

「今夜のタタリ―――オシリスの砂が明ければ、
再びタタリの中に戻される。
その前にタタリを破壊すれば、あるいは、と。」

リーズバイフェ
「……なんだ。コンサート会場がつぶれて、
たまたま外に出ていた私は助かった、という事……?」

「けどシオン。
それでも、私は消えるんじゃないかな……」

「だって私を生かしていたのは、
そのコンサート会場だったんだもの。」

シオン
「はい。ですから、今は私が、
貴女のコンサート会場なのです。」

「オシリスを破壊した後、彼女から貴女の所有権を
回収しました。」

「……タタリの真似事になってしまいますが、
私の分割思考の内二つを振り分ける事で、
貴女をとどめているのです。」

リーズバイフェ
「……えーと……じゃあ、私は貴女の機能の半分を
食いつぶして生きているの?
常駐ソフト?」

シオン
「驚いた。貴女の口からそんな単語が出てくるとは。
……というか。今、貴女の電源になってようやく
分かったのですが……」

「リーズ。
貴女ってホントはものすごくずぼらで、面倒くさがり
屋で、後先考えない、困った人だったのですね。」

リーズバイフェ
「あっちゃあ。バレたか。」

「でも、それは周りが勘違いしていただけで、
嘘はついてないんだけどな……シオンは、
私の本性がわかって幻滅した?」

シオン
「まさか。……まあ、多少は幻滅しましたが、
百年の恋がさめる、というものではありません。」

「だいたい、前々からおかしいとは思っていたのです。
もしかして貴女は迷いがないのではなく、
単に明日の事を考えていないだけではないか、と。」

リーズバイフェ
「うん、そう。私、シオンと違って未来の事を考える
のは苦手なんだ。」

「今があればいいって性格でね。なんか、それが
達観しているように、周りには見えたらしいけど。」

シオン
「見えました。もう完全に騙されました。
……あ、違いますね。貴女に欺く気なんて、
これっぽっちもなかったですから。」

リーズバイフェ
「……うん。
それで、どうする?
シオンは私をどうしたい?」

シオン
「―――貴女はもう私の物です。」

「教会には渡しません。……だいたい、私の分割思考を
二つも占領しているのですから、それに相応しい
仕事をしてもらわないと。」

リーズバイフェ
「そうか。うん、それでいこう。
教会から離れるのは残念だが、誰かを守るという
仕事が変わらないのなら、嬉しい。」

シオン
「契約成立ですね。
では行きましょうかリーズ。」

「まずは、この街で知り合った友人たちに
貴女を紹介しなくては―――」

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