白レン

1戦目4戦目 8戦目 9戦目 エピローグ
レンロア七夜志貴ネコアルク-

登場


白レン
「七夜。ねえ七夜ったら。
なにか外の様子がおかしくない? やけに雑音が
するというか、砂時計のような音が―――」


「……って、また勝手にでかけて!
あのダメ殺人貴、私の主人マスターだって自覚は
ないの!? なんで私に一声かけないのよ……!」

「……って、なんだ、ちゃんと手紙があるじゃない。」

「どれどれ……“面白そうな催し物に誘われたので、
そちらに乗り換える事にした。
それなりにお世話になりましたとさ”」
※「“面白〜とさ”」は七夜の声


「………………………フ(グシャ)」


「―――バッカじゃない? こんな、あからさまに
怪しい舞台を作ってるヤツを信用するなんて!」

「バカ。もうすごいバカ。ありえないぐらいバカ、
信じられないぐらいバカ。許せないぐらいバカ!」


「ふん、いい気味よ。あんなダメマスター。
さんざん利用されたあげく、ボロ布みたいに
捨てられればいいんだわ。私には関係ないし。」

「単に、また新しい操り人形を探せばいいんだし……」


「……でも、まあ。
街を荒らされるのは迷惑ね。」

「悪夢を見る人間がいなくなったら、
私も消えてしまうんだし。」

「いいわ。どこの死徒だか知らないけど、この挑戦は
受けてあげる。」

「どこかの考えなしともども、私の機嫌を損ねた事を
きっつく後悔させてあげるんだから。」




1戦目 vs.レン
勝利時
「もう。何よ、いきなり邪魔しに来て。え? 危ない
から行くな? すごい後悔するだけですって?
……貴女には関係ないでしょう。せいぜい、
そっちのマスターを守っているといいわ。」



4戦目 vs.ロア


白レン
「ふふ。こんな寂れた所に、こんなみすぼらしい
穴蔵があるなんて。」

「住処にしているモノの程度が分かるというものね、
そこの吸血鬼さん?」

ロア
「―――気づいていたか。
なるほど。タタリの影響で、夢魔もとの側面が
強化されたという事か。」

「しかし―――その姿は悪くない。
純白にして鮮血。無垢にして無情。」

「低俗な夢魔とは言え、さすがは姫君の使い魔。
程度・・は心得ているようだな。」

白レン
「まあ。心のこもっていないお世辞とはいえ、
拙い賛辞、感謝いたしますわ。」

「では―――私と踊っていただけるのかしら、地の底で
うごめくだけの、夢魔よりもっと低俗な白蛇さん?」

ロア
「もちろん。闇に潜む者の先達として、
絶対のルールを教えてあげよう。」

「弱者は強者に踏みにじられるだけという、
当たり前の仕組みだがね。」

白レン
「え? なに、そんな地味な姿のクセに格上だとか
思ってるの貴方?」

「もう、現実を見てよねミスター?
貴方、路地裏同盟でもきっと一番の小物でしてよ?」


ロア
「なに!? あの小娘ばかりでなく、おまえも
ロジウラなんとかの一員か……!?
ええい、これは本気でかからねば……!」
※あの小娘=弓塚さつき




勝利時
「地味かどうかはともかく、あれだけの死徒を投影
するなんて、元凶は中々の実力者のようね。
―――フフ、楽しくなってきた。それぐらいの
相手じゃないと、私の相手は務まらないもの。」



8戦目 vs.七夜志貴


七夜志貴
「うん? どうしたのかなお嬢ちゃん?
子供はもう寝る時間だ、早く帰った方がいい。」

「そうでないと、怖い怪物に頭から食べられて
しまうからね。」

白レン
「っ……貴方ね、いちいち皮肉を言わないと挨拶も
できないの?」

「だいたい早く帰らなくちゃいけないのは貴方の方
でしょう。その体、もう消えかけてるじゃない。」

七夜志貴
「ああ。新しい雇用者がヘマをしてさ。
あのシオンって子に輪をかけて堅物だったんで、
つい面白くなっちまったんだが……」

「ありゃあ不味いよなあ、まったく抑えがなってない。
扇情的すぎるね。」

「だってオレの前で隙を見せるんだぜ?
あんな背中を向けられたら、ほら、ついナイフも
軽くなるというか。おかげでこの様だ。」

白レン
「―――呆れた。誰彼構わずついて行って、
誰彼かまわず襲いかかるからそうなるのよ。
それで、どうするの? このまま消える?」

七夜志貴
「当然だろう。もともと生きる理由がないからね。
殺される事なく、自殺する事なく消えるなら、
願ったり叶ったりだ。」

白レン
「そう。じゃあ、貴方が一番されたくない事をして
あげる。貴方は私のマスターになって、私が消える
まで行き続けるのよ。」

「そう簡単に消えられると思わないコトね。」

七夜志貴
「おや、そうきたか。いいよ、そっちが勝ったなら
お望みのままに。」

「でもまあ、力ずくで自分を売り込む使い魔ってのも
どうなんだ?」




勝利時
「私の勝ちね七夜。これで貴方は私のご主人様よ
―――って、なんかおかしいけど、ま、いっか。
後は他人ひとの主人を横取りした元凶をこらしめる
だけ。どれほどの相手か確かめてあげるわ。」





9戦目 vs.ネコアルク


ネコアルク
「にゃっにゃっにゃっ。
はーい、お待ちしておりましたネコ王国期待の
プリンセス♥」


白レン
「―――なんでよ。」

ネコアルク
「ん? ナンでよ?
なに、汝あんな食い物とか食べるのか?
シエル? 趣味悪くね?」





白レン
「―――だから、なんでよ。
なんで待ちに待った私のラスボスが、
よりにもよってブサイクネコなのよーーーーー!」

ネコアルク
「む? 何か問題でもプリンセス?
あ、そっか、そうだよねー。
ちょっとスケールでかすぎだよねー。」

「ここだけの話、あと一時間で地球を破壊する用意も
ないではありません。」

白レン
「こ、の……今回こそは関わらないでいられると
思ったのに……!」

ネコアルク
「無ー駄無駄。
だってネコはまぁーるいんだもん♥」

「なんなら黒レンみたいに、アタシたちも君の
コマンド技に組み込んでくれてもいいのだよ?」

白レン
「死んでもゴメンだわ。
……ようやく分かった。
つまり、これは生存をかけた戦いだったのね。」

「貴方たちを根絶やしにするか、私がイロモノに
されるか―――決着をつけてあげるわ!」
※貴女の誤字?



勝利時
「はあ、はあ、はあ……。やったわ、あとはこの王国を
沈めるだけね。背景を灰色にして……よし、と。
突然変異の新種でも現れないかぎり、この封印は永遠よ。」



エピローグ

白レン
「これで邪魔者は排除し終わった、と。
ふう、ようやくすっきりしたわ。
あと残っている問題といったら……」


七夜志貴
「黒い方との対決かな?
まあ、あちらはあちらで現状に満足している
ようだし、手を出すのも考え物だが。」

「となると……ああ、晴れて問題解決だ。
実に清々しい。」

白レン
「まだ一つ、一番厄介なのが残っているけど。」

「……まったく……どうやったら言うコトを
聞いてくれるようになるのかしらね、
このひねくれ者は……」

七夜志貴
「うん? 何か言ったか?」

白レン
「別に、何も言ってないわ。
それより七夜、しばらく休憩よ。
早く紅茶とお菓子を持ってきて。」

「そうね……街の人間から悪夢を集めて、タタリより
強い結界を張れるようになったらまた遊ばせて
あげるわ。」

「だからそれまで―――ここで、大人しくして
いなさい。」

七夜志貴
「はいはい。いずれ仕事がるっていうんなら
番犬の真似事も甘んじるさ。」

「雪原を守るシリ狼星ウスの代役っていうのは、
まあ、荷が勝ちすぎているようだがね。」



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