エピローグ
真祖アルクェイド
「見事。そしてたまらなく痛快だ。
星の大気である我が手足が、
受肉しただけの手足に倒されるとはな。」
「命の優劣は力の強弱によって下されるものではない。
最終的にどこに到達するのか。
それのみが命の価値だと、天の星は伝えている。」
「それをヒトではなく我が姫が訴えるとは。
父もほぞを噛むというもの。
どうも、我らは彼の人の思想通りにはいかぬようだ。」
アルクェイド
「―――――っ」
真祖アルクェイド
「迎えがきたようだな。
懸命に守り通した、その世界に戻るがよい。」
???(シエル)
「起きなさいアルクェイド……!
まさか、共倒れなんてオチじゃないでしょうね!?」
アルクェイド
(……誰か……呼んでる……
すごく眠くて……疲れてるけど……
この声は、きっと―――)
シエル
「普段は何が起きても無傷なクセに、
こういう時だけ眠り姫の真似事ですか!?
ええい、起きないのなら景気づけに一発―――」
アルクェイド
「起きる……起きるから、そんなに揺らさないでよ。
せっかく、静かな夢を見ていたのに。」
「でも嬉しい。
助けにきてくれたのね、し―――」
シエル
「……ふう。ようやく目が覚めましたか。
はい、おはようございます。
手間をかけさせてくれましたね。」
アルクェイド
「…………はあ。」
シエル
「……なんですか、そのため息は。」
アルクェイド
「信じられない。
ガッカリしたから、もう一回寝る。」
シエル
「ガッカリってなんですか、ガッカリって!
介抱してあげた恩人にむかって!」
アルクェイド
「うるさい、空気読めバカシエル!
いいから志貴呼んできて、志貴!
そうじゃないとまたアレと入れ替わる!」
シエル
「あ、貴女にバカ呼ばわりされる覚えはありません!
だいたいですね、そんな美味しいシチュエーション、
主が許してもこの私が許しませんから!」
アルクェイド
「あ、問題はつげーん!
今の台詞、信仰の土台を崩すものだと思いまーす!」
シエル
「今のはあくまで例えですっ! いいですよ、
勝手に眠っていなさい。私はこれから遠野くんと
買い物にでも行きますから―――あ!?」
アルクェイド
「よっし、いい感じに目が覚めた!
夢も覚めたし、一足先に戻ってるわ。
後片付けは押しつけたー♪」
シエル
「は? この爆心地の後始末を私だけで?
……って早! もうあんな所に!?
ちょっ、約束は私の方が先なのに―――!」
アルクェイド
「そんなの早いもの勝ちに決まってまーす!
じゃあね、ありがとシエル!
お土産ぐらい買ってきてあげるからー!」
シエル
「ああもう、待ちなさいアルクェイドー!
ほんとに貴女は、いつまでたっても
考えなしなんですから―――!」
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