軋間紅摩
登場
軋間紅摩
「見知らぬ街だ。」
「なぜこんな所にオレがいる?
……強制的に呼びつけられたか。」
「どこの誰かは知らんが、
オレを呼ぶとはおかしな奴だ。」
5戦目 vs.ワラキアの夜
ワラキアの夜
「これはこれは。この国に伝わる“災厄”
をカタチにするのが私の機能だが、」
「実在の鬼を呼び出したのは初めてだ。
歓迎するよ、ひからびた絶滅種。」
軋間紅摩
「……このオレはおまえが映し出した虚像
だったか。なるほど、道理で実感が
掴めぬ筈だ。」
ワラキアの夜
「所詮失敗作だがね。
タタリとして映し出したものに
自我はつかない。」
「君のオリジナルはよほど
力のあるモノだったのだろう。」
「本来カットすべきその自我、
ここで削ぎ落としてしまおうか。」
軋間紅摩
「……好きにしろ。
ただし、その細腕で出来るのならばな。」
10戦目 vs.遠野志貴
遠野志貴
「おまえは―――軋間、紅摩。」
軋間紅摩
「あと数分で消え去るというのに
出会うとはな。これも縁というヤツか、
遠野―――いや、七夜黄理の息子。」
遠野志貴
「―――さあな。
俺は会いたくなんてなかった。」
「……いや、会わずにすめば
それでいいと思ってた。」
軋間紅摩
「では別れるか?
お互い、ここでの出会いは本意では
あるまい。」
遠野志貴
「遅い。
アンタ、いま口にしちゃいけない
名前を口にした。」
「それを聞いた以上、
引き下がる事はできない。」
軋間紅摩
「ふ、骨は残っていたと見える。」
「ならば―――
ここで父の跡を継いでみるか、小僧……!」
エピローグ
軋間紅摩
「―――頃合いか。」
「体は薄れていくものの痛みも感慨も
ない。もう少し死に近いと思ったが、
これでは夢と変わりはないな。」
「死に損なったな遠野。
おまえの父を継ぐ気概が残っているのなら、
オレの棲む森に来るがいい。」
「その時こそ、
あの夜の答えが出るはずだ―――」
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