白レン

5戦目 10戦目 エピローグ
ネコアルクアルクェイド-

登場

白レン
「分かったわ。要するに、マスターなのよ。」

レン
「…………………………」

白レン
「そうでしょうレン?
貴方にあって私にないもの。
不要だけど不可欠なもの。」

「私たち夢の住人を、
現実に映し出す為の幻灯機功―――」

「ええ!この私に相応しい、高貴で秀麗な
操り人形(マスター)!それが貴方と私の、
決定的な差だったのよ!」

レン
「…………………………」

白レン
「え?マスターならもう二人もいる、
ですって?……ふん。それは貴方の
マスターでしょう。
私の主はまだ決まってないわ。」

レン
「…………………………」

白レン
「そこで見てなさいレン。
つまらない契約なんて破り捨ててくるわ。
貴方を言い負かすのは、その後にしといて
あげる。」



5戦目 vs.ネコアルク

白レン
「そんな、いつの間に……!?
な、なんなのよこの不幸で不吉で
不気味な世界は……!」

ネコアルク
「むっふっふ、ようこそ我が二番目の
ライバルにして猫王国期待の星よ。
なにやらシリアスな展開を目指している
ようですが、そう簡単には逃がさねー。」

白レン
「―――帰るわ。
出口を開けてちょうだい、
そこのブサイクモザイク猫。」

ネコアルク
「ひどい嫌われようですなレディー。
ワタクシ、何か粗相でも働きましたかな?
んー、賞味期限切れのネコ缶とか、
御中元には失礼だったとか?」

白レン
(……疑問が一つ解けたわ。
この前、さつきが苦しんでたのは
そういう訳ね……)

ネコアルク
「ところで話はかわるんだけどさー
あたし、先日カラオケ屋なるものに
行ったのよー。あそこいいよね。
ミルク飲み放題だし。」

「けどさー、一時間ほど熱唱したらさー、
ビルの中の人間がみんな気絶してたのよ
これが。」

「うむ、ネロ教授にも困ったものです。
ホテルの人間皆殺しばかりか、何の罪も
ないカラオケ屋まで毒牙にかけるとは!
吸血鬼としての誇りはないのか!」

白レン
「………………。
(……つっこみたい……
それは貴方の超音波だって
つっこみたい……)」

(ううん、我慢、我慢よレン……
一度でもつっこんだら、私も
イロモノにされちゃうんだから……)

ネコアルク
「むぅ?
今回は中々にクレバーにゃなツンデレ。
少しはオトナになったという事か。」

「まあ、相変わらず色々小せぇーが。
んー、そんなんじゃまだまだヒロインには
なれませんよ?」

白レン
「よ、余計なお世話よっ……!
貴方こそ、自分の姿を鏡で見て―――あ」

ネコアルク
「にゃっにゃっにゃっ、うーんマンダム。
ようこそネコの世界へ。
―――ところで、アイドルデュエット
とかすごく興味あるか汝?」

白レン
「ないから!
ないから来ないでぇー!」



10戦目 vs.アルクェイド

白レン
「―――捕まえた。
ようやく二人きりね、真祖の姫。」

アルクェイド
「あれ、レンじゃない?
どうしたの、そんなに慌てて。
息も上がってるし、
髪も乱れているし―――」

「なにより、爪がべちゃべちゃだわ。
そんなに真っ赤にしてはしたない。
見境なく野苺を食べ歩いてきた
みたいよ。」

白レン
「余裕ね。
使い魔である私は脅威にも
成り得ないとうコト?」

「でも、それもここまで。
今まで摂ってきた分の命で、
ここに引き込んだ。たった数分しか
持たないけど、ここなら。」

アルクェイド
「私と互角……いえ、私の能力向上は
できない、か。うん、よし、面白い。
乗ってあげる、好きなように
やりなさい。」

「それと一応聞いておくけど。
要するに殺されたいのよね、貴方?」

白レン
「馬鹿にして……!
私が外の世界で満足に振る舞えないのは、
相応しいマスターがいなかったからよ!」

「ここで貴方との契約を断って、
私に相応しい寄り代を手に入れて
やるんだから……!」



エピローグ

七夜志貴
「ふうん。それで、とりあえず勝ちは拾った
ものの、死んでいるかどうか確認するのが
怖くなって逃げ出した、と。」

「いや、どうしようもない。
怖がりなのは性分だとしても、
勇気が足りないのは笑えないよ。
いや、それとも笑うところかここは?」

白レン
「どちらもやめてちょうだい。
大元の契約を断つ、という目的は達成
したのだから、文句はないでしょう。」

七夜志貴
「ああ。しかし、その代わりに次の問題を
引き入れてしまったワケだよな。
ま、オレとしちゃあ厄介事が増えるのは
喜ばしいかぎりだが。」

白レン
「……口が過ぎるわね。
貴方、せっかく私が選んであげたのだから、
少しは敬ってくださらない?
それともあのまま消えたかったの?」

七夜志貴
「さて。そんな事は世間に聞いてくれ。
オレは出来る事をやるだけのモノだ。」

「巧くやるのはオレの分で、上手に使うのは
そっちの分。その為に、性能的には文句の
ない主を裏切ったんだろう?」

白レン
「あ、貴方の為に契約を断ったんじゃないわ!
こ、この町の中じゃ貴方がいちばん
マシだっただけよ!
それを勘違いしない事ね!」

七夜志貴
「おお、怖い怖い。
いいぜ、せいぜい主人らしく振る舞うと
するが―――やれやれ。これじゃどちらが
使い魔だか分からないな。」

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